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タトゥー除去の回数は色で変わる?皮膚科専門医が理由を解説

BASE Dermatology 2026. 08. 21 READ 9 MIN
タトゥー除去の回数は色で変わる?皮膚科専門医が理由を解説

タトゥー除去に必要な回数は、インクの色によって大きく変わります。黒や濃紺はほとんどのレーザー波長に反応するため比較的少ない回数で薄くなっていきますが、緑・水色・紫といったカラーインクは反応する波長が限られるぶん、回数が多くなる傾向があります。もっとも、実際の回数は部位やインクの状態にも左右されるため、正確な治療計画は皮膚科専門医の診断を受けたうえで立てるのが基本です。

レーザー機器のそばで保護メガネをかけた医療スタッフが、施術ベッドに横たわる患者に施術している様子

なぜ色によってタトゥー除去の回数が変わるのですか?

色ごとに、吸収しやすいレーザーの波長が異なるためです。レーザーは特定の波長の光を照射し、その光をよく吸収する色素だけを選んで破壊します。黒いインクは幅広い波長を吸収するため、ほとんどの機器で反応が得られやすい色です。一方、緑や水色は吸収できる波長が狭く、適した波長を選んで照射しても反応はゆっくり進みます。

そのため、同じ大きさのタトゥーでも、黒一色のレタリングと複数の色を使ったデザインとでは、必要な回数が違ってきます。多色使いのタトゥーは、黒単色より多くの回数がかかります。

とはいえ、色は条件のひとつにすぎません。部位、インクの量や深さ、肌質が複合的に関わってくるため、「平均で何回」という数字よりも、「ご自身のタトゥーの条件」を把握することが大切です。同じ色であっても、治療への反応には個人差があります。

レーザーはどうやってタトゥーの色素を消すのですか?

レーザーは、消しゴムのように色素を消し去るわけではありません。行っているのは、色素の粒子を細かく砕くことだけです。特定の波長の光が特定の色素だけに吸収され、瞬間的に粒子を破壊する——この仕組みを「選択的光熱融解」と呼びます。名前は難しそうですが、原理はシンプルで、周囲の皮膚には手をつけず、インクだけを狙い撃ちする方法です。

砕かれた粒子を片づけるのは、体の仕事です。免疫細胞のマクロファージがインクの破片を取り込み、リンパ管へと運んで、少しずつ体の外へ排出していきます。つまり、タトゥーを消す主役はレーザーではなく、ご自身の体なのです。

この仕組み上、複数回の治療と、回と回のあいだの間隔がどうしても必要になります。体が色素を排出する時間があってはじめて、次の照射に意味が生まれるからです。

色によって除去の難易度はどのくらい違うのですか?

色ごとに反応する波長は、おおよそ決まっています。診療上の目安を整理すると、次のとおりです。

  • 黒・濃紺:1064nmをはじめ、ほとんどの波長に反応します。比較的消しやすい色です。
  • 赤系:主に532nmの波長に反応します。
  • 青・紫・緑:694nmや730nmなど、特定の波長にしか反応しません。機器がその波長に対応していないと、十分な反応は得にくくなります。
  • 白・肌色系:レーザーを反射・散乱させるうえ、照射後にかえって色が濃くなる反応(パラドキシカルダークニング)が起こることがあり、とくに慎重な対応が求められます。

複数の色が入ったタトゥーは、ひとつの波長だけではカバーしきれません。毎回、残っている色を確認しながら波長を切り替え、順序立てて進めていきます。表面の黒が薄くなるにつれて、下に隠れていた色が見えてくることもあるため、途中で計画を組み直す場合もあります。

色以外にも回数を左右する要因はありますか?

あります。大きく分けると、レーザー・タトゥーそのもの・患者さんの3つの要因です。レーザーによるタトゥー除去を扱った文献でも、結果を左右する要因はこの3つに整理されています。

タトゥー側の要因では、インクの量・深さ・密度がポイントになります。インクが浅く少なめに入ったアマチュアのタトゥーは、プロが彫ったものよりレーザーによく反応したという研究報告があります。「マシン彫りと手彫り(ハンドポーク)はどちらが消えにくいのか」というご質問をよくいただきますが、彫り方そのものよりも、インクがどれだけ深く・密に入っているかが回数を決めます。

患者さん側の要因では、部位の影響が大きくなります。血流とリンパの流れが豊富な顔は色素の排出が早く、比較的少ない回数で済む一方、手首や足首のような末端は巡りが遅く、より時間がかかります。

なぜ一度に消さず、間隔をあけるのですか?

砕いた色素を体が排出するのに、時間がかかるからです。真皮に閉じ込められたインクは、レーザーで砕いたあともマクロファージが運び出す過程を経る必要があり、これには数週間かかります。施術間隔を4〜6週間以上、資料によっては2か月前後あけるようご案内するのは、このためです。

では、間隔を無視して強いエネルギーで立て続けに照射すると、どうなるでしょうか。色素より先に、皮膚のほうがダメージを受けてしまいます。瘢痕(傷あと)や色素沈着のリスクが高まり、瘢痕になった皮膚はかえって色素の排出が滞るため、結果的に総回数が増えてしまうことすらあります。タトゥー除去で優先すべきは「早く」ではなく、「傷あとを残さない」こと。間隔を守ることが、結局は肌へのダメージと総治療期間の両方を減らします。

タトゥー除去は、どこまで期待できますか?

現実的なゴールは、「目立たないくらいまで薄くなること」です。レーザーがインクを直接消し去るわけではない以上、マクロファージが処理しきれなかった色素が一部残ることがあります。理論上、100%の除去を保証しにくいのはこのためです。

とはいえ、期待できない治療という意味ではありません。Nd:YAGレーザーの臨床研究46編を分析したシステマティックレビューでは、黒・青のタトゥーの大半で有意な薄まりが得られ、75%以上の除去にはおおむね4〜8回を要したと報告されています。一方で、カラー顔料は除去率が低めで、結果のばらつきも大きいものでした。最後まで残る色には、波長を変えて追加でアプローチする方法もあります。ただし、残った色素の種類や状態によって結果は異なります。

タトゥーインクの色ごとのレーザー波長と除去難易度を比較したチャートとともに、レーザーが皮膚内の色素粒子を粉砕しマクロファージが除去する仕組みを示す医療インフォグラフィック

副作用や注意点はありますか?

代表的なものは、色素沈着、色素減少(肌の色が薄くなる変化)、瘢痕です。先ほどのレビューで報告された副作用の大半は軽度かつ一時的で、主に色素の変化でした。ただし、エネルギーを無理に上げると、事情が変わってきます。

回数を減らしたいからと、強めの設定をご希望になる方もいらっしゃいます。お気持ちはよく分かりますが、おすすめできません。色素が砕けるより先に皮膚のダメージが進めば、残るのは薄くなったタトゥーではなく傷あとです。エネルギーと照射間隔は、肌の反応を見ながら毎回調整していく必要があります。

施術後のケアも結果を左右します。治療部位の紫外線対策を徹底することで、色素沈着は抑えやすくなります。水ぶくれができたり、浸出液が続いたりしたときは、ご自身で処置する前に、まず皮膚科へご連絡いただくと安心です。

レーザー機器が多いほど、よく消えるのですか?

見るべきは機器の台数ではなく、波長のラインナップです。同じピコレーザーでも、機種やハンドピースによって出せる波長は異なり、波長がひとつしかない機器では多色のタトゥーに対応しきれません。「ピコレーザー導入」という宣伝文句よりも、「自分のタトゥーの色に合う波長を備えているか」をご確認ください。

「ピコウェイ(Picoway)」のように複数の波長を扱えるレーザーには、色に応じて波長を切り替えながら照射できる特長があります。釜山・センタムにある私どもBASE皮膚科でも、ピコウェイを用いて、タトゥーの色と肌の状態に合わせた波長を選択しています。とはいえ、機器はあくまで道具です。どの色がどの波長にどう反応してきたかを見極め、毎回計画を調整していく判断こそが、最終的な結果を分けます。

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よくあるご質問

タトゥー除去は、ふつう何回くらい必要ですか?

黒・青のタトゥーでは、研究ベースで75%以上薄くなるまでに、おおむね4〜8回を要しました。カラーが混ざっていたり、インクが深く濃く入っていたりする場合は、10回以上かかることもあります。部位やインクの状態による個人差が大きいため、初診の時点で総回数を断定するのは難しいのが実情です。

眉のアートメイクも同じ方法で消せますか?

レーザーで色素を砕くという原理は同じです。ただ、アートメイクに使われる色素は一般的なタトゥーインクと成分が異なり、照射後にかえって色が濃くなる反応が出ることがあります。そのため、まず狭い範囲でテスト照射を行い、反応を確かめてから進めます。色素の量が少ないぶん、治療期間は短めで済むことが多いです。

緑や蛍光色のタトゥーは消せないのですか?

消えにくい色ではありますが、「不可能」と決めつけるべき色でもありません。緑には、694nmや755nmといった波長を備えた機器でアプローチできます。ただし、インクの成分や濃度によって反応は異なります。蛍光・白系はレーザーを反射したり、かえって色が濃くなったりするリスクがあるため、テスト照射のうえで治療できるかどうかを判断します。

タトゥー除去の施術間隔は、なぜ4〜6週間以上あけるのですか?

砕いた色素をマクロファージが排出するのに、数週間かかるからです。排出が終わらないうちに再照射しても効果は乏しく、肌への負担ばかりが大きくなります。資料により4〜6週間から2か月前後の間隔が推奨されており、肌の回復スピードに合わせて調整します。

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参考資料


本記事の内容は、医学的な診断に代わるものではありません。治療への反応や必要な回数には個人差があるため、正確な診断と治療計画については、皮膚科専門医の診察をお受けください。

執筆・医学的監修: 金炳守(キム・ビョンス)院長 — Byeongsu Kim · 皮膚科専門医

本コンテンツは医学的情報の提供を目的とし、診断・治療に代わるものではありません。効果や反応には個人差があります。

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