赤みの種類と、皮膚科の診察で確認すること

顔が赤くなる症状をまとめて「赤ら顔」と呼びますが、赤ら顔は一つの病名ではありません。さまざまな疾患で赤みの症状がみられます。
赤みが引くまでにかかる時間、ほてりやヒリヒリ感などの随伴症状、そして引き金となる要因——この3つの基準で、顔面紅潮と酒さ(ロザセア)、そのほかの皮膚疾患による赤みを見分けていきます。どのタイプかによってケアの方法が変わるため、まず見極めることが治療のスタートラインになります。
赤ら顔は病名ではありません
赤ら顔は診断名ではなく、「顔が赤くなる」という症状を指す言葉です。診察室では、この症状を大きく4つのタイプに分けて考えます。1つ目は、温度や感情の変化で一時的に赤くなっては引くことを繰り返す「顔面紅潮」。2つ目は、刺激がなくても赤い状態が長く続く「持続性の紅斑」。3つ目は、赤みに炎症が加わった「酒さ(ロザセア)」。4つ目は、脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎など、ほかの皮膚疾患に伴って現れる赤みです。
韓国疾病管理庁の国家健康情報ポータルでも、顔面紅潮を「短時間のうちに繰り返し現れる赤み」と定義し、長時間赤い状態が続く紅斑とは区別しています。原因も、生理的な反応から閉経前後の変化、薬剤、飲酒、全身疾患までさまざまです。そのため診察では、先ほどの3つの基準を順番に確認しながらタイプを絞り込んでいきます。

一時的に赤くなって引く紅潮と、ずっと赤いままの紅斑は何が違うのですか?
赤みが引くまでの時間が違います。「単純な顔面紅潮」は、温度変化や感情、辛いもの・熱いものなどの刺激に反応して赤くなり、短時間で元に戻り、同じ状況で繰り返し起こります。一方、刺激がなくなっても赤みがそのまま残っている場合は「持続性の紅斑」を疑います。
この2つの状態は別物ではなく、地続きになっていることがあります。一時的な紅潮が長く繰り返されるうちに、広がった血管が元に戻らなくなると、ほかに原因がなくても血管拡張によって赤みや紅斑が持続する状態へと進行します。
受診前にご自身で確認できることもあります。赤くなってから引くまでにかかった時間と、赤くなるきっかけになった状況(飲酒、サウナ、緊張など)を記録してみてください。韓国疾病管理庁は2週間「紅潮日記」をつける方法を紹介していますが、この記録は診察での見極めに大きく役立ちます。
酒さ(ロザセア)かどうかは、どうすれば分かりますか?
顔の赤みがあるとき、必ず見分けなければならない疾患が酒さ(ロザセア)です。酒さの診断では、赤みだけを見るのではなく、一緒に現れる症状を確認します。酒さの臨床像は、持続する紅斑と繰り返す紅潮、毛細血管拡張、丘疹(小さなブツブツ)と膿疱(膿を持ったブツブツ)、鼻の皮膚が厚くなる変化、さらには目の症状まで多岐にわたります。国際的な専門家グループの診断基準でも、こうした特徴の組み合わせで酒さを判断します。
患者さんが感じる感覚も異なります。単純な紅潮は「赤くなる」だけなのに対し、酒さの患者さんは「顔が熱くてはち切れそう」「カーッと火照ってヒリヒリする」と訴えられます。酒さは炎症から始まる赤みなので、炎症をコントロールしないまま赤みだけを消しても、また戻ってきてしまいます。
ニキビダニ(デモデックス)が関与するタイプもあります。顔の中央に丘疹・膿疱がある患者さんの皮膚表面を調べた研究では、持続性紅斑のある患者群でニキビダニの密度が高く測定されました。ただし、ダニの密度と症状の関係には個人差があります。皮膚科専門医は病変の分布や形態を診て、必要であればこうした検査も加えながらタイプを見極めます。

脂漏性皮膚炎・アトピーによる赤みとは、どう見分けるのですか?
このほかによくある疾患として、脂漏性皮膚炎とアトピー性皮膚炎があります。これらは、赤くなる部位と伴う症状で見分けます。酒さは、頬や鼻など顔の中央の高い部分に出やすいのが特徴です。脂漏性皮膚炎は、皮脂分泌の多い鼻のまわりや口のまわりに、脂っぽいカサつきとかゆみを伴います。アトピー性皮膚炎も顔に出ると赤ら顔のように見えますが、口まわり型・顔面中央型など部位ごとの分布パターンが多様で、酒さ・脂漏性皮膚炎との鑑別が難しいと報告した研究もあります。顔以外の部位の皮膚炎を伴っていないかを観察することが重要です。
問題は、これらの疾患が一つの顔の中に混在しているケースが珍しくないことです。どちらが主な問題かによって使うべき薬が変わるため、ご自身の判断で化粧品や塗り薬を替える前に、皮膚科専門医による鑑別診断を受けることをおすすめします。
肌の問題ではない赤ら顔もあるのですか?——閉経前後・全身性の原因
あります。むしろ、赤ら顔は皮膚疾患以外のところから始まっていることの方が多いくらいです。代表的な例が、閉経前後の血管運動性のほてり(ホットフラッシュ)です。このほかにも韓国疾病管理庁は、顔面紅潮の原因として運動や温度などの生理的反応、カルシウム拮抗薬などの薬剤、飲酒や食べ物、まれにカルチノイドや褐色細胞腫といった全身疾患を挙げています。
そのため、診察では肌だけを診ることはしません。基礎疾患や服用中のお薬、生活習慣、伴う症状を併せて確認し、必要に応じて他院へご紹介のうえ、血液・尿検査や画像検査まで検討します。皮膚治療の対象ではないと判断した場合には、該当する診療科の受診をご案内します。赤みを「肌の問題」だけに絞って見てしまうと、見逃してしまう原因が出てくるのです。

ステロイド外用薬を長く使っていた方に、必ず確認すること
顔にステロイド外用薬を長期間塗っていたことがあるかどうかは、診察で必ず確認します。ステロイドを長期間使用すると、コラーゲンの合成が抑えられて皮膚が薄くなり、血管が拡張することがあります。赤みを抑えようと塗っていた薬が、かえって赤みを悪化させていたということになり、ステロイドによる酒さ様皮膚炎(ステロイド酒さ)が生じることもあります。
一方で、逆の誤解もあります。顔の赤みやカサつきをすべてステロイドの副作用だと思い込み、必要な治療まで避けてしまう方がいらっしゃいますが、実際には脂漏性皮膚炎やアトピーそのものが治らずに慢性化した症状であることの方が多いのです。副作用なのか、もともとの疾患なのかによって治療は正反対になりますので、これまで使ってきた塗り薬や化粧品のことを診察でそのままお話しいただければ、見極めの精度はぐっと高まります。

皮膚科専門医の診察では何を確認し、治療はどう決めるのですか?
診察では、大きく4つのことを確認します。赤みの持続時間と部位、ほてりやヒリヒリ感などの随伴症状、引き金となる要因、そして肌のバリア機能と敏感さの状態です。これに、塗り薬の使用歴と全身性の原因の可能性まで加えて、タイプを判断します。
治療は、赤みのタイプと肌の状態に応じて順序を決めます。一度広がってしまった血管は塗り薬や飲み薬で消すことが難しいため、血管そのものを減らす場合には、Vビーム パーフェクタのような血管治療レーザーを用います。ただし、レーザーがすべての赤ら顔の答えというわけではありません。酒さは血管の問題に炎症と肌のバリア機能低下が重なった複合的な疾患なので、バリアが弱った状態でレーザーから始めると、かえって刺激になることがあります。そうした方には、ホームケアやLDM・超音波ケアで炎症とバリアを整えてからレーザーを計画します。治療後の紫外線対策と誘因のコントロールも、治療の一部です。
治療への反応や経過には個人差があります。1対1のカウンセリングで上記の項目を一緒に確認し、正確な診断と治療計画は専門医の診察のうえで決定いたします。

よくあるご質問
赤みが長く続いたら、すべて酒さ(ロザセア)なのですか?
いいえ。長く続く赤みは、酒さのほかにも脂漏性皮膚炎、アトピー、ステロイド外用薬の影響、閉経前後の変化や薬剤といった全身性の原因からも生じます。ただし、持続する紅斑に丘疹・膿疱や熱感が加わっている場合は、酒さの可能性を念頭に鑑別を行います。
赤ら顔のレーザーさえ受ければ、赤みは解決しますか?
レーザーは広がった血管を減らす治療であって、赤ら顔の原因をすべて解決する治療ではありません。炎症や肌のバリア機能の問題が残っていれば赤みが再び現れることがありますし、バリアが弱った状態ではレーザー自体が刺激になることもあります。治療の順序は、肌の状態によって異なります。
ステロイド外用薬を長く塗っていたら顔がかえって赤くなったのですが、なぜですか?
ステロイドを長期間塗ると、コラーゲンの合成が抑えられて皮膚が薄くなり、血管が拡張することがあります。ただし、塗り薬のせいではなく、もともとの皮膚炎が治らずに続いている赤みであることも少なくありません。どちらなのかによって治療が変わりますので、使用していた期間と部位を覚えておいて、診察の際にお伝えください。
閉経後に顔がよくほてるのですが、皮膚科に行くべきですか?
閉経前後のほてりは血管運動性のほてり(ホットフラッシュ)の可能性があり、皮膚治療だけでアプローチする問題ではないかもしれません。診察で肌が原因なのか全身性の原因なのかを見極め、必要に応じて該当する診療科の受診をご案内します。赤みに丘疹やカサつきなどの皮膚症状を伴う場合は、皮膚科の診察が見極めの出発点になります。
ニキビダニ(デモデックス)も赤ら顔の原因になり得ますか?
関与することがあります。丘疹・膿疱のある酒さの患者さんでニキビダニの密度が高く測定された研究があり、ニキビダニを標的とした治療薬を使うタイプもあります。検査が必要かどうかは、病変の形態と分布を見て判断します。
参考資料
- 顔面紅潮|国家健康情報ポータル(韓国疾病管理庁)
- Proposal of Phenotypic Patterns in Facial Atopic Dermatitis: A Single-Center Retrospective Analysis of 100 Cases
- Papulopustular rosacea and rosacea-like demodicosis: two phenotypes of the same disease?
- Exploring New Dimensions in Longitudinal Rosacea Management
本記事の情報は、医学的な診断に代わるものではありません。正確な診断と治療計画は、専門医の診察のうえで決定してください。
本コンテンツは医学的情報の提供を目的とし、診断・治療に代わるものではありません。効果や反応には個人差があります。
KR
EN
JP
CN
TW